2023-07-18(火)
共感と受容
私たちホームヘルパー等の介護従事者は、おむつ交換や、入浴のお手伝い、買い物や、掃除などの業務がありますが、目には見えない重要な仕事があります。
それは、共感と受容です。
介護が必要な方は、実は「おむつ交換等の業務だけをこなしてくれればいい」という方ばかりではありません。
多くの方は、話を聞いてほしかったり、気持ちを理解してほしかったりと、温かみのある時間を過ごしたいと思っている方が多いのです。
そこで介護従事者に必要なスキルが「共感と受容を使い分ける技術」です。
共感とは、言葉にすると「その気持ちわかる!わかる!」
受容とは、言葉にすると「そのように思っているのですね!」
同じように見えて、全く違うスキルなのです。
共感は、対象となる方と同じ気持ちになることを言うため、対象の方から見た視点に立つこととも言えます。しかし、問題解決の場面では、視野が狭くなるため、偏ったケアに進んでしまう可能性があります。
受容は、どんな気持ちも一旦受け入れることを言います。対象の方の気持ちを一旦受け入れたら、客観的にどこに課題があるのかを分析することに移行しやすいためより満足度の高いケアにつながりやすいです。
共感の場面においては、瞬間的には対象の方の気持ちがスッキリしますが、介護者からすると、その方と同じ気持ちや感情になるため、介護者自身のメンタルにも影響する可能性があるのではないかと思います。共感をする際には、その内容に気を付ける必要がありそうですね。
受容の場面においては、対象の方が「受け入れてもらえた」と思ってもらえることもありますが、介護者自身は、共感はしていないため、介護者のメンタルに影響することは少なく、問題解決に移行しやすいというメリットがありますね。
これからは、様々な社会背景のある方が介護などを必要とされ、介護サービスを利用される時代になるのではないかと思います。
より満足度が高いケアを行っていくには、おむつ交換などの「業務」という目に見える技術の他にも、「共感と受容をうまく使い分ける」という目に見えない技術を意識していくことも必要ではないかと思いました。